映画『REDリターンズ』で老練な女スパイ、ヴィクトリアを演じた英国の大女優ヘレン・ミレン。同シリーズのキャッチコピー“若造に世界が救えるか!!”に一定の理解を示す一方で、優秀な後輩の意見や態度を見て素直に参考にすることもあるという仕事哲学を語った。
人生の晩年にさしかかった、老いぼれエージェントたちが主人公。引退はしたものの、スキルフルなために命を狙われ、挙句の果てに世界の危機を救うハメに。“若造に世界が救えるか!!”という言葉はベテランたちの悲鳴と本音で、演じたヘレンも皮肉が効いていると笑う。「若くても世界は救えるわ(笑)。でも深刻な危機に瀕した時は、年を重ねた者の意見にも耳を貸したほうがいい。歴史や経験を知っている。若い時は、普通無知だものね」。
一方で、後輩たちの仕事や意見も参考にする姿勢も持っている。特に今回は主演のブルース・ウィリスの仕事が刺激的だったそうで、大いに勉強になったと説明する。「彼は、本当にカジュアルよ。スクリーンを舞台に活躍する表現者として、とても秀逸だと思う。映画ではやりたい放題だけれど、そのための表現はやりすぎないのよ。とても上手! 絶妙なサジ加減が勉強になったわ」と半ば興奮気味に。まるで少女のように、現場を回想した。
ヘレンとの会話の感想を一言で言うととても謙虚、そして柔軟。それが奏功して、彼女演じるヴィクトリアは、魅力的なキャラクターになった。「わたしのような年齢の女性がエレガントな服装でマシンガンをブッ放す姿を見るって、さぞ痛快でしょうね(笑)」と貫録の笑み。デイムの敬称を冠して、アカデミー賞にも輝く大女優。その本質を見た気がした。
映画『REDリターンズ』は、公開中
【関連情報】
映画『REDリターンズ』公式サイト
http://www.disney-studio.jp/movies/red/
●(夕刊ガジェット通信)記事関連リンク
【大女優インタビュー】 ヘレン・ミレン 「2時間を楽しめれば、それだけで十分でしょ!」
68歳とは思えない大女優ヘレン・ミレンの若さの秘訣は? 「人間の本質は年齢によって左右されるものではない」
あえて小規模な案件を“正しく”選択するということ――アーノルド・シュワルツェネッガーの“責任”感に学べ!