こんにちは。恋愛ライターの石田です。
百戦錬磨のプレイボーイと聞いたら、あなたはどんな男性を思い浮かべますか? どんな女性でも口説き落とせる、強い自信と男性としての魅力と、抜け目なさ。女心をくすぐる甘さも必要かも……。
1月10日公開の『危険な関係』でチャン・ドンゴン演じるシエ・イーファンは上海の裕福な家庭に育ち、女性を口説くために生まれてきたような男です。
原作は、フランスの作家ピエール・ショデルロ・ド・ラクロが1782年に発表した小説。18世紀後半のフランス貴族社会を背景に、プレイボーイの子爵と策略家の公爵婦人が貞淑な人妻を恋愛ゲームに巻き込んで行く模様を書簡形式で綴っていますが、今回ご紹介する映画『危険な関係』の舞台は1931年の上海です。
裕福で有名なプレイボーイのイーファン(チャン・ドンゴン)と女性実業家のジユ(セシリア・チャン)がくり広げる危険な賭けをめぐって展開します。
ジユは自分を捨てた男が16歳の少女と結婚したことが許せず、かつての恋人イーファンに少女を寝取ってほしいと持ちかけますが、彼は簡単すぎると言ってアッサリ断ります。百戦錬磨の彼が目をつけたのは、教育者だった亡き夫の遺志を引き継いで奉仕活動を行っているフェンユー(チャン・ツィイー)でした。
イーファンとジユは賭けをします。清らかで聖女のようなフェンユーを彼が落とすことができれば、ジユはイーファンのものになる。失敗したらイーファンの河口の土地がジユのものになる、という賭けです。
賭けに勝って港を造ろうとしていた野心家のジユのたくましさ! 彼女には人の心をもてあそぶ悪魔的なところがあり、すべてを思い通りに動かすためには自分の感情さえ封印しています。
そんなジユとイーファンの企みに純粋な心をもてあそばれるフェンユー。上海阻隔のゴージャスで独特な雰囲気の中で危険な恋のゲームの行く手には、衝撃の結末が待ち受けているのですが……。
恋愛小説の金字塔として有名な原作は175の書簡で構成されていますが、イーファンがフェンユーを口説くテクニックは作品の中に鏤められています。例えば電球の交換にかこつけてさりげなく接近したり、劇場で彼女のピンチを救ったり、甘い愛の言葉がつまった手紙を送ったり、そのさじ加減も絶妙なのです。遊び上手な彼に恋の炎を呼び覚まされるフェンユーの変化も見逃せません。
華麗な恋愛ゲームで勝ち続けるために彼らが犠牲にしたもの。相手を支配したり、征服するために真実の愛から目をそらすというのは、自分の心を傷つけずにはいられないということ。
今までの自分の恋愛を振り返りつつ2014年の恋のために、美徳と悪徳と恋の駆け引きについてこの作品から学んでみるのは、いかがでしょう。
■作品情報『危険な関係』
出演:チャン・ツィイー チャン・ドンゴン セシリア・チャン ショーン・ドウ リサ・ルー キャンディ・ワン
監督:ホ・ジノ
製作総指揮:チャン・ウェイミン
脚本:ゲリン・ヤン
原作:ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ「危険な関係」(角川文庫)
英題:Dangerous Liaisons
公式サイト:http://www.kikennakankei.jp/
配給:キノフィルムズ 2014年1月10日ロードショー
©2012 Zonbo Media
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