アメリカで人気のアニメ“シンプソンズ”最新回の冒頭で、一家の父親バートが黒板に「ジューダス・プリーストはデスメタじゃないよ」と書いているシーンが挿入された。以前放送されたエピソードに、アニメ化されたジューダス・プリーストが本人達役でゲスト登場し、“デスメタル・バンド”と番組内で呼ばれたことに対してファン達から抗議が殺到したためらしい。「プリーストはヘビメタであってもデスメタじゃない！」ということなのだ。
さて、“メタル”は今や相当細分化されたジャンルであり、サウンドやポリシーも様々なら、それぞれ“ブラック・メタル”“スラッシュ・メタル”“ニュー・メタル”など呼び方も様々、そのため余計に今回のような事態になったのだと思われる。
そもそもメタルファンの中には純粋主義で、自分たちが信じるバンドへの忠誠心が堅い者が多いと言われており、そのため外部からのラベリングにはことさら激しくリアクションするのだろう。漫画『デトロイト・メタル・シティ』ではそのあたりがカリカチュアライズされ、ギャグとして描かれていたわけだが、ジューダス・プリーストのファン達はシャレじゃ済まなかったらしい（ほかにはアイアン・メイデンのファン達が熱心なことで知られ、ときおりジョークのネタになったりもする）。今回はコミカルに謝罪してどうやら落ち着いた様子だが、やはりメタルファンを怒らせると怖そうだ。
これまで“シンプソンズ”にゲスト登場した実在のバンドはU2、スマッシング・パンプキンズ、ホワイト・ストライプズ、レッチリにソニック・ユース、トム・ウェイツ、最近ではレディー・ガガなどなど、恒例イベントになっている。
Photo：(C) D. Long / Globe Photos / Zeta Image
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