ソチ（ロシア）の冬季五輪開幕まで、いよいよ残すところあと二日。
ニュース番組では連日、現地レポートが届き、「日本のメダル獲得予想云々」と鼻息が荒い。
それもそのはず、国民的な人気を誇るフィギュアスケート女子の浅田真央（これが最後の五輪？）をはじめ、スポーツに疎い人でも名前ぐらい聞いたことが（たぶん）ある鈴木明子、村上佳菜子が出場するし、同じくフィギュア男子では、羽生結弦、町田樹、高橋大輔、スキージャンプの高梨沙羅などなど、スター選手が名を連ねるからだ。
そんな中、いや、そんなときだからこそ、観ておきたい動画がある。
「泣いちゃう」
「大泣き」
「ぐっときた」
などなど、すでに観た人からは絶賛の言葉が飛び出す……そのCMタイトルは「Pick Them Back Up」(https://www.youtube.com/watch?v=57e4t-fhXDs)。全世界で1200万以上再生されているこのCM内容は、至ってシンプルだ。
まだ自分で上手く立てずに、バランスを崩して転ぶ子どもたち。彼らは、日々成長していく中で、数知れず転び、立ち上がる。そんな子どもたちに、優しく、そして辛抱強く手を差しのべる母親たち。
時は流れ、転んでいた子どもたちはいつしか五輪に出場選手に成長している。選手たちは、競技後、真っ先に駆け寄る。駆け寄る先には、母親の姿……この重厚な2分のドラマ！ もう説明してるそばから泣けてくるよ！
これは、P&G（プロクター・アンド・ギャンブル）のグローバルCM。同社が五輪公式スポンサーとして、ロンドン五輪（2012）開催時に流したCMの続編である。ちなみに、前作（ロンドン五輪時）の「Best Job」（https://www.youtube.com/watch?v=GymEjb9CF-k）は、2012年カンヌ国際広告祭で、フィルム部門金賞をかっさらった。その続編とくりゃ、そりゃクオリティは保証済みである。
活躍する選手たちの陰には、選手と家族との深い、深〜い結びつきがある。そんな当たり前のことに気づかせてくれるこれらのCMは、流れるやいなや世界中で反響があり、絶賛の声が上がった。
そのコンセプトを受け継いで作られたのが、ソチ五輪のフィギュアスケート代表・高橋大輔、羽生結弦両選手が出演する日本版のCM。自分の生い立ちと応援してくれた家族を振り返りながら、カメラの先にいる母親に向かって「ありがとう」を伝えるというどストレートなものだ。
高橋選手「何も言わずにいてくれたから、それが母親からの頑張れっていうメッセージだったのかな」
羽生選手「頑張ろうって思えるように母が支えてくれてたのかなって」
照れ混じりながらも、普段なかなか言葉にできない母への「ありがとう」を、直球で口にする両選手の姿は、老若男女全方位で感動を覚えるはずだ。大体、こんなにどストレートなメッセージの映像にお目にかかれるのは、結婚式で流れる両親への感謝ムービーぐらいしか思いつかない。
「しかし、なんでスポーツに直接関係ないP&GがこんなCM流してんの？」と不思議に思った人は名探偵ばりに鋭い。普通なら「選手を応援する」止まりだが、このコンセプトはもっとビッグかつ深遠なのである。
まとめると、こんな感じになる。
選手を応援する
↓
選手を支えている家族も応援する
↓
選手の家族はもちろん、同じように子どもの成長を見守っている世界中の母親のがんばりを応援する
つまり、「ママの公式スポンサー」をテーマに掲げる企業にふさわしく、世界中のがんばる母親を全部応援しちゃえ、ということ。太っ腹というか、エスカレートしているというか、とにかくどでかいレベルで応援しているということは良く分かるだろう。
どんな名選手の陰にも、それを支えるママ（家族）たちの存在がある……そんな当たり前だが、大切な事実に思いを馳せると、五輪の応援にもますます熱が入るわ、己の家族へ感謝を覚えるわ、涙で前が見えないわ……いろいろ忙しいよ！
「CMぐらいで泣けるなんて」と、ここまで言ってもまだ半信半疑の人は、騙されたと思ったこの一連のCMぜひ正座して見てほしい。泣けた後に、ふつふつと元気が湧いてくること間違いなしだ。
ちなみに、P&Gのサイトではプレゼント（これが結構豪華だったりする）も行っているのでこちらも要チェックである。
【関連情報】
thankyoumom jp | Myレシピ.com【P&G】
http://www.myrepi.com/thankyoumom-jp/
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