聴覚障害を患いながらも作曲家として活躍、“現代のベートーベン”とまで呼ばれた佐村河内守氏ゴーストライター事件が世をザワつかせている渦中、トンデモニュースが入った!
それは、本年度アカデミー賞9部門ノミネート、ゴールデン・グローブ賞作品賞(ドラマ部門)を受賞、賞レースを席巻中の『それでも夜は明ける』という映画! ブラット・ピット、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチと映画界の最旬の豪華キャストがこぞって出演を熱望した本作について、アウトな疑惑が浮上したというわけ。
説明しよう。物語の主人公は、愛する妻と幼い子どもたちに囲まれ、【音楽家として幸せな日々を送っていた一人の男】。その男が、ある日突然誘拐され、家族も財産も名前さえも奪われ、遠く見知らぬ地へ奴隷として売られてしまうことに。これはすべてアメリカで本当にあった事件であって、自由の権利を得ていた黒人音楽家ソロモン・ノーサップが、1841年~12年間、奴隷として送った人生の回想録を映画化した超感動のヒューマン巨編なのだ。
この原作である『12 years a slave』が、奴隷解放運動の一員であるデヴィット・ウィルソンが【ゴーストライターとして書いた本では?】とハリウッドがザワザワしたという。
しかし、自由になった後のノーサップの半生をリサーチ、人物評伝を書いたディヴィット・フリーク氏は、この疑惑を一蹴する。まず「デヴィッド・ウィルソンがノーサップの執筆を助けたことは確か」とナンダカ胸騒ぎがする前置きをしながらも、「ある人物が書いたという触れ込みで、ある物事の内実に関する本を、その人物になり代わって書くことがゴーストライターです。1853年の本の初版に際して、ウィルソンは担当編集者として名を連ね、あまつさえ編集者として序文まで寄せています。本の執筆に関して、伏せるべき事実があったとは思えませんね」と胸熱コメント! いやあ、ちょっと不安は減ったよねえ。
話は続く。「ウィルソンの序文や当時の新聞記事、あるいはノーサップの生涯に少なからず関わりのあった人物が後に書いた手紙を読んで分かることは、ウィルソンがノーサップに対して長時間にわたるインタビューを行っては詳細なメモを書いていたようです。奴隷だった頃のノーサップは何かを書きとめて記録することなどできませんでしたから、自分が体験した出来事、出会った人々、訪れた場所を正確に思い出すため、彼は常に記憶を呼びさまそうと努力していました。過去の出来事に関するノーサップの記憶の確かさを、ウィルソンは信頼していました。なぜなら彼は、いついかなる時でもまったく同じ話をいささかのブレもなく描写することができたからです」と裏付けまであることを語ったそうだ。
その上! 執筆にあたって、「ウィルソンが書き取って、それをノーサップがつぶさに見直しました。『原稿を注意深く読み、少しでも的確でない言葉があれば別の表現はないかと話し合いました』とウィルソンは語っています。この執筆スタイルや文章やフレーズそのものはウィルソンによるものだとしても、ウィルソンが理解して描写した事実にノーサップが満足していたことは明らかで、最終稿の内容にも納得していました」と言い、本人に代わって陰で書いたわけではなく、【あくまで編集者として】というのがポイントなのだな。
ゴーストライター新垣隆氏による記者会見では、佐村河内守氏は聴覚障害ではないということも指摘され、疑惑のスパイラルに陥っているが、『それでも夜は明ける』は実際に12年間奴隷になったソロモン・ノーサップの話、ということで間違いない! じゃ安心だね!
映画『それでも夜は明ける』は、2014年3月7日(金)より、TOHOシネマズみゆき座ほか全国順次ロードショー
【関連情報】
映画『それでも夜は明ける』公式サイト
http://yo-akeru.gaga.ne.jp/
●(夕刊ガジェット通信)記事関連リンク
ノッリノリ! 『大統領の執事の涙』の監督がパジャマ演出な理由「ラクだから」←納得
「いけない!ルナ先生」DVDリリースイベントにルナ先生が集合!
頭がフグになったサラリーマンのショートフィルムがキモ面白い