最近、男性のオシャレの一環になってきたヒゲ。ワイルドな雰囲気を出したいときや、ちょっとしたイメージチェンジにヒゲを生やす人もいるかもしれない。そんなヒゲ、今でこそ自由に生やしたり剃ったりできるわけだが、かつて厳しく取り締まられた時代があったことをご存じだろうか。実は江戸時代、「大ヒゲ禁令」なるものが発令されていたのだ。
ちょっと笑ってしまうような名前だが、本当にこういう名前だから仕方がない。具体的には医者、山伏、神官、人相見、それと還暦を過ぎた隠居老人以外はヒゲを生やすのを禁止する、というもの。発令されたのは1670年、四代将軍・徳川家綱の時代。家綱はどんだけヒゲが嫌いだったのかと思ってしまうが、実際の理由はまったく別のところにあったという。
実はヒゲはもともと、武士がその強さの象徴として生やしていたもの。ところが江戸時代になり、戦乱がなくなったために事実上、仕事がなくなってしまった武士が急増。体力を持て余した武士たちは博打にのめり込んだり、辻斬りをしてみたりと大暴れ。江戸の治安は大荒れだった。そこで幕府は、携帯する刀の大きさを定めるなど、治安を守るための法令を発令。それに合わせて、強さの象徴として生やされていたヒゲも禁じたのだ。
そういったわけでこれ以降、人々がヒゲを自由に生やすことができない「ヒゲ暗黒時代」に。「大ヒゲ禁令」はかなり厳格で、大名でも生やすことを禁じられている。ゆえに江戸時代にヒゲを生やした肖像画が残っている大名は、ほぼ徳川斉昭だけという結果に。身分を問わず、徹底していた大ヒゲ禁令。ある意味、ヒゲの前ではみな平等だったのだ。ヒゲに貴賎はなし。天はヒゲの上にヒゲを作らなかったことがわかっていただけただろうか。
ちなみにこのヒゲ知識は、ラジオ番組「HIGE FM 1 MINUTE SHAVING STATION」でピックアップされたもの。番組はその名の通り、ヒゲに関する情報を毎日1分間発信し、「大ヒゲ禁令」のようなヒゲトリビアを紹介したり、オススメのヒゲスタイルを提案したりしている。特にヒゲトリビアは「なぜサンタクロースのヒゲはふわふわなのか」など、別に知らなくてもいいけど、なんとなく気になってしまう内容が満載。ヒゲの有無を問わず、楽しめる内容になっている。
今のところ、自由にヒゲを生やすことができる現代日本。だがしかし、いつまた大ヒゲ禁令が敷かれるか分からない。安倍内閣が東京五輪に向けて「治安維持のためにヒゲ禁止」とか言い出さないとも限らない。男性諸君はHIGE FMなどで情報を集めながら、ヒゲを自由に生やせる時代を謳歌してほしいものだ。
【関連情報】
1分間のヒゲ情報番組「HIGE FM」
http://higelife.jp/
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