前回、シリーズ最終章『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』の本広克行監督に、メガヒットの秘訣を尋ねた。後編の今回は、15年という歳月を経た“踊る”について直撃した。
シリーズ最終章は、とにかく犯人が意外だった。「今まで犯人にドラマが一切なかった」と本広監督も、その仕様変更について説明をする。「昔は犯人を確保しておしまい、が“踊る”でした。推理物じゃなく、犯罪が起こって所轄と本庁が激突するという会社組織、警察の物語です。犯行がどう、トリックがどう、そういうこととは関係なかったわけですね」。
今回の“FINAL”にあたって、その路線を大幅に変更した。「パート3は完全に宗教的でしたが、“FINAL”では内部が崩壊している設定にして、しかも火種は上層部の闇。ここは“踊る”的ですが、いわゆるクーデターです。ただ、それだけでは今の時代に合わない気がしたので、“数人がやらざるを得ない話”にした。そこに悲劇的なドラマがあるわけです」。
「“踊る”的じゃないという賛否は予想しました」と当時の胸中を明かす本広監督。「40歳を超えた人たちの話なので、青島刑事が走って犯人をただ捕まえても面白くない。走って肉離れ、そのほうがリアル（笑）。ただ、そこへの評価は高かった。うれしかったですね」。
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販売元：ポニーキャニオン
(C) 2012 フジテレビジョン／アイ・エヌ・ピー
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