一見、華やかな新人の活躍が目立つ球界だが、一方で今年は大きな岐路に立たされているベテラン選手の姿もある。
中日の谷繁、山本昌、山崎、横浜の中村らは2000本安打を打ったりそれなりに頑張っているが、一番人気になる選手がいる。
それは巨人の小笠原だ!抜群の通算成績を残しながら巨人入り後のこの2,3年は怪我などもあり鳴かず飛ばずの成績に甘んじている。このところ一軍にやっと昇格し、まるでテストをされるかのようなスタメンやチャンスに起用され、その度に“打たなければ”という力みや焦り、プレッシャー、そしてプライドの狭間で不振にあえいでいるのだが、小笠原の姿は見ていると複雑だ。
プロ野球はすべて結果、成績のみで評価され、どんなスタープレイヤーも成績が下がり続ければただの選手となり、使ってもらえないのは仕方のないことかもしれない。
そのスタープレイヤーたちが、それぞれの形で復活を信じて戦っている姿は様々だ。
しかしどうしても結果が出ず、もがいているのが小笠原だと思う。
長年(34年も!)プロ野球を見ていると、小笠原選手のバッティングはあの好調時のフォームと同じ力強いフルスイングで打者に向かっている。しかし結果は空回りばかり。そして凡打が続き、なかなかレギュラーに復帰出来ないのだ。
そこでオレから見て、フルスイングのガッツはプレーと考え方を少し変えてみる必要があると思う。
野村さんが楽天の監督だった当時、ベテランの山崎(現中日)が不振にあえいでいる時にアドバイスしたことがあった。
その時の言葉は「いいかげん年を考えて力を抜け!」の一言だった。山崎はその言葉を理解し復活した。この一言で小笠原が完全に復活するとは思えないが、何か一言がこの小笠原を復活させるヒントになるのでは……。
“ガツツ小笠原”を捨て、力の抜けた“テクニックの小笠原”に変身した小笠原を見たい。そしてその一言を探し、見つけてチャレンジすれば“味のある小笠原”は復活すると思うのだ!
(江本孟紀)https://twitter.com/emoto_takenori
「アホ」がプロ野球を滅ぼすhttp://kklong.co.jp/catalog/product_info.php?products_id=1167