こんにちは。恋愛ライターの石田です。さまざまなラブストーリーから恋愛成就の秘訣やトラブル回避法、「人の振り見て我が振り直せ」的な心構えなどを学んでいくこのコラム。今回ご紹介する作品は、監督も夫婦で主演も恋人同士ということで話題になった映画『ルビー・スパークス』(2012年12月公開作品)です。
天才作家としてデビューしながら、スランプに陥っていたカルヴィン(ポール・ダノ)。低迷期を抜けるために、理想の女の子“ルビー・スパークス”を主人公にした小説を書き始めた彼の前に、現実のルビー(ゾーイ・カザン)が現れます。彼の思い通り(タイプライターを叩いて創り上げるまま)、どんどん魅力的になっていくルビー。フィクションと現実とを軽く飛び越えて、ロマンティックなはずの二人でしたが……。
カルヴィンは、チャーミングなルビーと夢のような毎日を過ごすものの、次第に彼女を自分の都合で変えてしまっていいのか、簡単に変えてしまっていいのかと迷い始めます。そして、どんどん魅力的になっていく彼女が目を離すとどこかに行ってしまうのではないか、僕を捨ててしまう時がくるかもしれない……と不安に襲われます。そんな場面の二人の会話は妙にリアルです。
恋愛を含め、身近な人間関係を自分の思い通りにコントロールする方法を紹介した心理学を応用した本やマニュアルなどありますが、相手の都合も考えずに自分の理想を押し付けることで良い関係が築けるのか、一方的な選択が二人の関係をどう変えていくのか、ロマンティックな中にも考えさせられる要素がたくさんあるのです。
自分の主張が正しいと思っても、目的や理想をただ押し付けただけでは幸せになれません。相手が何を望んでいるのか、相手の本当の想いに気づくことがどんなに大切か。そばにいるからこそ、分かっているつもりで見過ごしてしまうこともあります。
相手の本音に耳を傾けてみる、そんな時間が良い関係を築くためには必要だと改めて気づかせてくれた作品です。
■ 作品情報『ルビー・スパークス』
監督:ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス
脚本:ゾーイ・カザン
製作総指揮:ロバート・グラフ、ゾーイ・カザン、ポール・ダノ
キャスト:ポール・ダノ、ゾーイ・カザン、アントニオ・バンデラス、アネット・ベニングほか
原題:RUBY SPARKS
配給:20世紀フォックス映画
2013年4月24日ブルーレイ&DVDリリース
公式サイト:www.rubysporks.jp
(c)2012 Twentieth Century Fox
※@nifty恋愛・結婚からの寄稿です。
【関連リンク】
その他の恋愛ライターコラムはこちら
http://partner.nifty.com/column/
@nifty恋愛・結婚
http://partner.nifty.com/