プロアマ問わず、野球情報を毎日発信している『週刊野球太郎』編集部に「2015年、もっとも活躍が期待されるプロ野球選手は?」と尋ねた際、一番に名前が挙がったのが、大谷翔平(日本ハム)だ。今回は改めて、大谷のスゴさを振り返ってみたい。
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昨年の7月19日に行われたオールスターゲーム第2戦や10月5日の楽天戦では、日本人最速となる162キロをマークし、野球ファンの度肝を抜いた。
そして、最終的に2桁勝利(11勝)&2桁本塁打(10本)を達成。これは日本プロ野球で初めての記録だった。
歴史に名を残す数字やファンを楽しませる数字を残しているが、まだ弱冠20歳。体力、技術ともにまだまだ伸びシロがあることは明らかなだけに、さらなる進化への期待がいやが上にも高まる。
そんな将来を嘱望される大谷だが、投手として圧倒的なパフォーマンスを見せれば見せるほど皮肉なことに、代名詞とも言える「二刀流」への否定的な声が再燃しているのだ。
「160キロ以上の球速は誰でも出せるものではない。だから投手に専念すべき」
「メジャーを目指すなら、二刀流では無理」
現役選手、他チームの首脳陣、評論家など、球界のさまざまなところからこういった意見が出ている。
たしかに、投手に専念することにより、ケガの危険性が減り、練習の質も量もあがって、投手としての心技体をブラッシュアップできるという見方には説得力がある。
だが、大谷の「ダブル2桁」は、メジャーリーグでは1918年のベーブ・ルース(13勝、11本塁打)しか成し遂げていない。ざっくり言えば100年に一度の大記録である。
それほどのポテンシャルを秘めた選手を、これまでの「常識」に当てはめてしまっていいのだろうか。
想像してみてほしい。
たとえば、試合開始前のスタメン発表時に、ウグイス嬢が「3番、ピッチャー、大谷」とアナウンスした瞬間……。
終盤の勝負所、代打で出場し、快打を放って、次の回にそのまま登板する姿。
チームがリードしている9回。突然のピンチを迎えた時、右翼手の守備位置からチームを救うためにマウンドに走っていく場面。
こんなシーンをプロ野球で見たくないだろうか?
もとよりメジャーリーグ志向が強い大谷なだけに、数年後には海を渡ることになるに違いない。その時はおそらく「投手」という看板を掲げることになるだろう。
だからこそ、残された在籍期間に、マンガの世界でしか存在しえなかったプロ野球選手像を日本のファンに見せてくれてもいいのではないか。
チームの指揮官である栗山英樹監督は、2014年シーズン終了後に出演したテレビ番組の中で、大谷の今季の目標を「投手として20勝、打者として3割&20本」と掲げた。
この数字に到達すれば、雑音も封じ込められるかもしれない。そういった意味でも、3年目の大谷がどこまで数字を伸ばすことができるか、歴史的な記録を作るのか、見逃してはならない。
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