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阪神・鶴岡獲得で“捕手トロイカ体制”誕生 優勝への吉兆か

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阪神・鶴岡獲得で“捕手トロイカ体制”誕生 優勝への吉兆か

阪神は、FAでDeNA移籍の久保康友投手を失った人的補償に、正捕手の鶴岡一成を指名。藤井彰人、日高剛というベテラン捕手の揃うチームに、37歳を迎える鶴岡を獲得したことで批判の声が上がっている。

ここ数年、阪神はFAなどでベテラン捕手を獲り続けている。2010年、メジャーリーグから城島健司を迎え入れると、FAで2011年は楽天から藤井を、2013年はオリックスから日高を加えた。

矢野輝弘の引退後、正捕手を固定できない阪神を象徴する出来事である。ただし、プロ野球の世界において、捕手の育成はもっとも難しいことのひとつ。

過去、古田敦也(ヤクルト)や阿部慎之助(巨人)という社会人出身や大学出身の大型新人が1年目からレギュラーを奪ったケースもあるが、あくまで稀な例だ。

阪神の三捕手が、初の100試合以上出場を果たした年を見ると、藤井はプロ7年目、日高は5年目、鶴岡に至っては17年目といずれも時間がかかっている。ちなみに、日高と鶴岡は高卒で、藤井は大卒だ。

今季の阪神は、この三捕手を併用する“トロイカ体制”になりそうなため、「若手捕手が育たないではないか」と非難されている。

しかし、この“トロイカ体制”は悪いことばかりではない。

思い出されるのが、89年の巨人だ。西本聖と加茂川重治を交換要員として、中日から82年MVP受賞者の中尾孝義をトレードで獲得。すでに、87年MVPの山倉和博、近鉄で梨田昌孝と“ありなしコンビ”と呼ばれた有田修三という2大巨頭がいたにもかかわらず、藤田元司監督は中尾を呼び寄せた。

89年時点で、中尾33歳、山倉34歳、有田38歳。当時は、今と比べ、選手寿命も短く、33歳になればベテランと呼ばれていた。

中尾は強気のリードで、当時くすぶっていた斎藤雅樹を開花させるなど投手陣を引っ張り、ベストナインとゴールデングラブ賞を獲得。山倉と有田の出番は減ったが、この年の巨人は独走でセ・リーグを制覇し、日本シリーズでも近鉄を3連敗のあとの4連勝で破った。中尾の存在なくして、巨人の日本一はなかったと言える。

翌年には、若手の村田真一が台頭。中尾、山倉、有田という球界を代表する捕手たちを目の当たりにしたことは、トクすることはあれ、損することはなかった。

捕手は、経験が重要視されるポジション。その意味において、近くにベテラン捕手がいれば、それだけ引き出しは増える。

阪神の清水誉や小宮山慎二といった中堅捕手にとって、鶴岡の加入はマイナスどころか、プラス材料なのだ。問題は、シーズン中に捕手3人枠に割って入れるかだが、最初からあきらめるのであれば、すでにプロ失格だ。

投手陣にとっても、藤井、日高とは異なる鶴岡のリードで、新たな一面が引き出される可能性は十分にある。鶴岡の獲得でDeNAのデータ収集ができることはもちろん、首脳陣は投手によって捕手の使い分けもでき、損なことはない。

鶴岡がくすぶっている若手投手を見出したとき、阪神の9年ぶりの優勝が近づく。

(落合知)

※画像は、阪神タイガース公式サイトより

【関連情報】
阪神タイガース公式サイト
http://hanshintigers.jp/

夕刊ガジェット通信

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