層の厚くなった先発陣に加われるか。
DeNAの加賀繁は、オープン戦初戦である22日の対巨人戦(沖縄セルラースタジアム那覇)に先発。オープン戦とはいえ、開幕投手に選ばれたことからも分かるように、首脳陣は加賀に大きな期待をしている。
昨季のDeNAは先発のほとんどが右投手。今年も、左投手でローテーション入りが予想されるのは藤井秀悟とメジャーから日本に復帰した尚成のふたりだ。
ここに、右横手投げの加賀が割って入ってくると、バリエーションがつく。
クライマックスシリーズ進出を目標とするDeNAにとっては、是が非でも出てきて欲しい素材なのだ。
先発転向を目指す加賀にとって、鬼門は左打者。中継ぎの役割を任された昨年、右打者は2割4分と抑えたが、左打者には4割8分4厘と打ち込まれた。一昨年も、右打者は1割6分9厘と抑え込んだが、左打者には3割8分7厘。とにかく左打者に弱い。
この苦手を克服しない限り、予告先発制の現在、加賀が先発陣に加わることはかなり難しい。オープン戦初戦、3回無失点と好投した加賀だが、左打者に対してはどのような投球をしたのだろうか。
1回、2番の橋本到に対しては2球で追い込むが、そこから粘られ、2ボール2ストライクから外のボールをサードの左を抜けるレフト前ヒットを打たれる。
2回、5番の阿部慎之助にも2球で追い込む。その後、内角に2球見せ球を投じた後、外にストレートを放る。これを阿部が捉えた。結果はセンターライナーだったが、良い当たりだった。2死後、7番の高橋由伸は初球打ちでファーストフライ。
3回、新外国人のアンダーソンには初球136キロのストレートを外角に投げ、ストライク。2球目は詰まって、センターフライに打ち取るが、甘いボールだった。
計4打者に対し、4打数1安打に抑えた。結果だけを見れば、上々だが内容はそれほどでもない。高橋、アンダーソンは打ち損じ。橋本、阿部には2球で追い込んだが、決め球を欠いた。この日の加賀は意識的に内角を攻めており、阿部にも厳しいコースを突いていたが、そのあと外角へ決めにいったボールに対し、踏み込まれている。
オープン戦初戦とはいえ、ストレートの球速は主に130キロ台後半。もう少し速ければ、状況も変わってくるだろう。
まだオープン戦は始まったばかり。開幕へ向け、これからも左打者対策を講じていく加賀。DeNAの躍進には欠かせない存在だけに、期待したい。
(落合知)
※画像は、横浜DeNAベイスターズ公式サイトより
【関連情報】
16 加賀 繁 – 選手名鑑 | 横浜DeNAベイスターズ
http://www.baystars.co.jp/team/player/2013/detail/10.php
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