昨年、ルーキーながら規定投球回数に達し、オールスター出場も果たしたDeNA三嶋一輝。2年目となる今季は、中畑清監督から開幕投手を嘱望されている。
長年、投手陣に課題を残しているベイスターズにとって、久々に期待の持てる大型投手だが、15日の阪神とのオープン戦では、1年目からの成長をあまり感じられない投球となってしまった。
5回1失点と結果自体は悪くない。
だが、開幕投手を務められるほどの内容とは言えなかった。昨年からの課題であるボール球が先行してしまう悪い癖が直っていないのだ。1点を失った2回、結果球を除き、三嶋は15球を放っている。驚くことに、そのうち12球がボール球なのである。
先頭のマートンは初球ボールのあと、2球目の外角をサードへ打つ。この打球を、バルディリスが一塁へ悪送球。無死一塁で、5番・新井貴浩を迎えると、2球連続ボール。3球目を新井が引っ掛け、ショートゴロ併殺打。
普通の投手だと、これで立ち直るが、この回の三嶋はそうはいかない。6番・今成に3球連続ボール。4球目も高めに浮いたが、今成が捉え、右中間を破る三塁打を打たれる。
7番・福留にも2球続けてボール。なんとこの回、ストライクボールの判定がつかない結果球を除き、8球連続ボール。福留は続く球をファールしたが、その後も連続ボールで四球に。
確かに、三嶋は荒れ球を持ち味としている。だが、荒れ球をプラスに捉えないといけない状況では、真のエースにはなれない。日本球界の歴史を振り返っても、入団当初荒れ球だった投手も、のちにコントロールを身につけ、大エースになっている。
いつまでも、“荒れ球が持ち味”では、中畑監督やファンが望む真のエースにはなれないのだ。
三嶋は2死一、三塁から8番・清水に、初球の真ん中に入ったスライダーをライト前に運ばれた。
5回を投げ切った三嶋は、打者19人中6人に対し、3ボールまで投じている。約3分の1の打者に、これだけボールが先行しては心もとない。
中畑監督は開幕投手候補の筆頭に挙げているが、制球力の向上なくして「エース・三嶋」は誕生しない。
(落合知)
※写真は横浜DeNAベイスターズオフィシャルサイトより
【関連情報】
17 三嶋一輝選手 – 横浜ベイスターズ
http://www.baystars.co.jp/team/player/2013/detail/63.php
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