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『私の男』 禁断のラブストーリーから学ぶ 男心を掴んで離さない魔性の握力

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『私の男』 禁断のラブストーリーから学ぶ 男心を掴んで離さない魔性の握力

こんにちは。恋愛ライターの石田です。

朝のニュースを見ていたら、オーストラリアのカカドゥ国立公園に暮らす水鳥の映像が流れ、トサカレンカクというチドリ目レンカク科の鳥がオスだけでヒナを育てる“イクメン”だということを知りました。

湿地が出現する雨期に子育てをするトサカレンカクは、巣作りから育児まで、すべてをオス一羽が担当。メスはその間、何をしているのかといえば、違うオスとの妊活に励んでいるそうです。

浮葉性植物が豊富にある淡水の湿地に生息するトサカレンカクにとって、危うい水の上で繁殖するには最善の方法だといえるのでしょう。卵を守り、自らの翼に抱えるように必死にヒナを守るオスのトサカレンカク。

水鳥と人間はもちろん違います。でも、ほかに頼るもののない、厳しい環境の中で本能に従って生きている男女の人生が思いもよらない方向に進んでしまうことはあります。

理屈を超えた禁断の愛を描き、2008年に直木賞を受賞した桜庭一樹によるベストセラー小説『私の男』。10歳で孤児となった少女・花は遠縁にあたる淳悟に引き取られるところから二人の物語は始まります。

互いに深い喪失を抱えた花と淳悟は、北海道紋別で寄り添うように生活を送っていました。そして、冬のオホーツク海、流氷の上で起きた殺人事件をきっかけに、暗い北の海から逃げるように父と娘は町を離れます。濃厚な秘密を抱えたまま二人は……。

理屈を超えた禁断の愛を描き、その刺激的なテーマと極限的な舞台設定から、映像化不可能といわれてきた作品の映画化が実現。6月14日公開になります。

善悪キッチリ、恋愛もマニュアル通りに進まないと不安になってしまう人は、この狂気にみちた濃密な愛のかたちに戸惑い、美しくも挑発的なシーンに衝撃を受けてしまうかもしれません。

でも、よくありがちな男心をつかむ小悪魔テクよりも、女優・二階堂ふみ演じる花の“本能的な握力の強さ”を確かめてみてください。

震災ですべてを失い、堰を切ったように泣く花の手を握りしめて「俺は、おまえのもんだ」とささやく淳悟。花の握力の強さを象徴する最初の場面として、避難所で渡されたペットボトルの水を手放さずに持ち歩く姿も妙に印象に残ります。

二人きりの歪んだ家族を作っていく父と娘は、空虚な心を満たそうと激しく求め合っても満たされることはありません。親子であり、罪悪から逃げ続ける共犯者として生きるふたり。

人として進むべき道から外れてしまっている淳悟と花を否定するのは簡単だけど、濃密な関係を築くには何が必要なのか……。愛情について深く考えたくなる作品です。

■作品情報『私の男』
出演:浅野忠信 二階堂ふみ
高良健吾 藤 竜也
原作:桜庭一樹「私の男」(文春文庫刊)
監督:熊切和嘉
脚本:宇治田隆史
音楽:ジム・オルーク
制作・配給・宣伝:日活
公式サイト:http://watashi-no-otoko.com/
6月14日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
(C)2014「私の男」製作委員会

※@nifty恋愛・結婚からの寄稿です。

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